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過硝酸を利用した世界初の殺菌技術の実用化

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大阪大学大学院工学研究科 北野研究室

過硝酸とはPeroxynitric acid (PNA)

Peroxynitric acid (PNA)


活性酸素窒素種の一つであり、存在は古くから知られています[1]。過酸化物構造を有しているため、反応性は高いです。比較的、低分子な化学種なのですが、あまり知られておらず、論文も少ないです。プラズマ処理水による殺菌の研究を通じて、有効成分として発見したのですが、過硝酸による殺菌は過去に誰もやったことがありません。
[1]F. Raschig, Angewandte Chemie, 17, 1419 (1904).

日本語名  過硝酸、ペルオキソ硝酸 
 英語名  Peroxynitric acid (PNA)
 化学式  HNO4 (HOONO2)
 分子量  79.0122 g/mol
 CAS番号  26404-66-0
 共役酸  OONO2- (Peroxynitrate)
 pKa  5.85

過硝酸の化学反応

亜硝酸と過酸化水素を特定の条件下で混合することで過硝酸の合成ができるというのは100年以上前から知られている。亜硝酸と過酸化水素からペルオキシナイトライト(HOONO)が合成され、それがさらに過酸化水素と反応することで過硝酸(HOONO2)が合成される。

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過硝酸(HOONO2)からは、ラジカル解離によりHOO・が生成されるが、HOO・はO2-・とpKa4.8の酸解離平衡にあり、pHが4.8以下でHOO・の割合が増えます。電気的に中性なHOO・は、細胞内へ容易に侵入できるために、殺菌力が非常に高いです。

分解反応は一次反応であり、硝酸と酸素へ分解します。


過硝酸の物理化学特性

物理化学的な特性として、室温では半減時間が数分と短いという特徴があります。冷却すると半減時間が延びるのですが、活性化エネルギーが比較的大きい大きいという特徴が指し示す通り、半減時間の温度依存が大きいです。一例として、pH2.9の場合の半減時間とそのアレニウスプロットを下記に示します。氷で冷やしておいて、ちゃちゃっと使えばよいというところでしょうか。


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