トラブル色々

以下のトラブルを速やかに発見するためには、充電中に充電制御盤の充電電圧の上昇・及び放電時の充電電圧の低下に常に目を光らせている必要があります。以上があったまま充電を続けると、取り返しのつかない壊れ方をすることがあるので、充電中は常に充電制御盤 FIX 装置近辺から聞こえる音放電音に気を配るように心がけましょう。

また、作業をするときはなぜその作業をするのかそれはどう行った役割をしているのかをよく理解し田植えで、自分の頭も使いながら作業に臨みましょう。先輩・先生がそう言ったからといって必ずしも正しいとは限りません。疑問に思うことがあったらすぐに聞いてください。あなたも立派なスタッフの1人なのです。

なお、ここに列挙してあるトラブル集はあくまでも今までにあったトラブルであるので、これと違った原因によるトラブルが発生する可能性もあるので注意してください。

 

 

充電しない

1 充電コントローラのスイッチが、ローカルになっている。

2 充電器の短絡器に付いている網銅線が切れて短絡したままになっている。

3 充電器の電圧計が壊れている(実は充電している)

4 充電器のブレーカーが落ちている

5 コンデンサーバンクが壊れている

6 充電器が壊れている

 

充電完了しても放電しない

1 配電盤のスイッチが入っていない

2 1部のバンクが充電していない

3 ディレイパルサーからパルスが出ていない

 

大爆発音がする(放電時)

1 メインバイアスのスローバンクないのコイルが火を吹いている

2 どこかのケーブルがパンクしている

3 どこかの縁面で放電している

 

大爆発音がする(充電時)

1 充電ケーブルのパンク

2 充電気周辺での放電

 

放電しないバンクがある

1 トリガパルス経路のどこかで断線している

2 マスタのギャップが広すぎる

3 トリガ入力部のコンデンサ不良

4 サイラトロンパルサーの不良(真空管)

 

放電しているうちになぜか真空度が悪くなる

1 生成部干渉計のウインドウが割れている

2 どこかのゲートバルブ不良

どこかのポンプが止まっている

4 puff のディスクが割れている

 

 

爆発例その1(大吉編)

突然大爆発音がして裏をチェックするが異常が見つからなかったので、もう一度放電するが全然大丈夫でその後も全く異常がなかった。-> どうしようもないのでそのまま放っておく。

 

爆発例その2(凶編)

突然大爆発音がして裏をチェックするが異常が見つからなかったので、もう一度放電するとやはり爆発音がする。新館の明りを消して人員を配置し放電するとどうもスローバンク辺りで光っている様なので、スローバンクの扉を開けて再び放電するとスローバンク内のコイルから見事な花火が上がっていた。結局これはコイルの接続部が経年劣化によって接触不良を起こしそこで放電していたのだった。(修理時間:2人で約4時間, 最後の修理時期:約2年半前)

 

爆発例その3(大凶編)

突然大爆発音がして裏をチェックするが異常が見つからなかったので、もう一度放電するとやはり爆発音がする。新館の明りを消して人員を配置し放電するとどうも集電版辺りで光っているようなのだがはっきりわからないので写真をとる。それでもわからないので人海戦術でその辺のケーブルをすべてチェックすると1本のパンクしたケーブルを発見それを取り替える。(修理時間:たくさんの人で約1日, 最後の修理時期:約1年半前)

 

爆発例その4(番外編)

コンデンサを大量に使っているときに放電の瞬間青白い光とともに爆発音がした。コンデンサが爆発したかと思って調べるが何ともなかった。実はこの時抵抗 (5W) に電流を流しすぎて抵抗が爆発していた。その後調べるとその時流れた電流量は数千アンペアだった。

 

爆発例その5(終わってます編)

突然大爆発音がして裏をチェックするが異常が見つからなかったので、もう一度放電すると集電板で絶縁破壊して集電板が溶けて飛び散っていた。(修理時間:?我々の手には負えません)

 

 

爆発音がしたときの対応について

まず、制御盤の充電停止ボタン (OFF と書いてある緑のスイッチ) をおして、作業中のスイッチをオンするか、または制御盤の電源を切る。つぎに、新館内の照明を全てつけて集電板及びバンク周辺部をチェックする。このとき、焦げ臭いにおい、放電跡、ガイシ部のひび割れなどに注意して見回る。尖った部分、抵抗の先などと架台の金属部分などの間で飛ぶこともある。ただし金属部分を触るとき、または金属で込み合った狭い場所に入るときには、安全棒で充分放電した後、注意して行う。特に経験者の人は、ここはアースに落ちているから大丈夫と思ってうかつにさわって感電することがあるので注意すること。落ちているように見えても断線して実は電荷がたまっていることが多々あります。またバンク部で作業するときは、制御盤の作業中ランプを付けるか制御盤に書き置きをするかして、後から来た人がわかるようにしておく。一通りチェックしたらFIXチームの教官(岡田先生がベスト)を呼びにいく。もし誰もいなければ、ドクターまたはマスターで経験のある人物に見てもらってもう一度放電する。このとき、何事も起こらなければその後も多分大丈夫でしょう。ただしこれは経験的なことなので必ずしも大丈夫とは限りません。放電したときまた爆発音がするようなら、部屋を暗くした後安全なところに人を配置して場所の特定をしますが、これは必ずマスター以上の経験のある人と一緒に行うようにする。放電を伴う異常のチェックは、1人では絶対に行わないこと。

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