〜困ったときは北野まで〜

ヘテロダイン干渉計とは?

 

光の周波数は非常に高く、光の周波数に追随できる検出器は存在しないため、光の位相は直接測定できない。そこで、測定したい光に、わずかに異なる周波数の光を干渉させたビートを検出することにより、測定したい光の強度、周波数、位相などの情報を測定することができる。この手法を光ヘテロダイン法といい、様々な応用が研究されている。もっとも数多く研究されているのは、干渉計の光路差の高精度な測定である。ビート周波数が一定であれば、参照光と信号光のビート間の位相差の変化を測ることにより、干渉計の光路差の変化を10-10mという高い精度で測定できる。しかし、ビート信号間の位相差を計測しているので、波長以上の光路差の変化は検出することができない。

互いにわずかに異なる周波数を持った光の電場をそれぞれ、

 

 ES(x,t) = uS(x)exp[i{2πfSt+φS(x)}]

 ER(x,t) = uR(x)exp[i{2πfRt+φR(x)}]

とおける。この2つの式で表される光を干渉させて、その強度の時間的変化を測定する。光の周波数は高いため、フォトディテクターで検出できるのは、光の強度、すなわち光の電場の和の2乗になる。

 

 I(x,t) =│ES(x,t)+ER(x,t)│2

   = uS2(x)+uR2(x)+2uS(x)uR(x)cos{2π[fS-fR]t+[φS(x)-φR(x)]

上式の第3項は差の周波数、fS-fRで正弦波状に変化するビートになっている。このビートの位相を位相計で測定することにより、もとの光の位相差、φS(x)-φR(x)を電気的に検出することが可能になる。また、片方の光の強度、周波数、位相がわかっていれば、ビートを検出することによって、もう一方の光の強度、周波数、位相が計測できることになる。このように、光ヘテロダイン法を用いれば、周波数が高く直接は検出することが無理な、光がもっている情報を、ビート信号を検出することによって、間接的に計測することが可能になる。これを、干渉計に用いれば光路差を検出することができ、さまざまな応用が研究されている。要は、2つの異なる周波数の光を干渉させると、差の周波数、差の初期位相を持ったビート(うなり)信号がディテクターで検出される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プラズマの何を測るのか?

 

 プラズマは密度の変化により屈折率が変わる。プラズマ中をプラズマの大きさはdiamag測定によりわかるので、干渉計でn(プラズマの屈折率)×l(プラズマの長さ)がわかるこれにより、diamagと用いることによりプラズマの密度測定ができる。

 

 

 

 

 

 

 

 

使っている装置

 

光源・・・生成部のHe-Neレーザーは3.39μm、閉じこめ部のCO2レーザーは10.6μmの赤外光であり目に見えない。従って光軸調整のための目安として、633nmのHe-Neをコンバインしている。室温を20℃にし、測定範囲が20-25℃の液晶シートを用いて、温度変化のするところに赤外光が来ていることがわかるので、これと可視のHe-Neをコンバインする。He-Neは出力が小さいために、すべての光軸上の点で液晶シートによって見つけることができるとは限らないので、光路を見つけるのは難しい。光軸調整等を行う場合は20分ほど前にレーザーの電源をつけておき、暖めて安定化させておく。CO2レーザーは、スペックでは出力が5Wであるのだが、寿命の1000時間を大幅に越えて使用されているためか、ぼろいのでそれだけの出力を得ることができない。最大出力を得るために、発振波長をゲインカーブのピークにもくるように、温度調節を行う必要がある。電源の部分に、温度調整用のためのフィードバック回路が入っており、ダイヤルを回すことにより、レーザーチューブを任意の温度に固定することができる。レーザーチューブの温度を安定化させているということは、レーザーの共振器長を一定に保つと言うことになる。共振器長が変化すると当然ゲインが落ちて、出力も落ちる。というよりも、ある共振器長の時でなければ、レーザーは正しく発振しないと考える方がよい。パワーメーターを用いて、最大出力の位置を探すと、7個ぐらいある。パワーメーターは反応速度が遅いので、根気よくいい温度設定の位置を探す必要がある。しかしながら、レーザーチューブが痛んでいるために、同じ温度設定でも、時間がたつにつれて出力が変動する。それゆえ、実験に用いる場合には、パワーメーターで出力を使用する前に確認する必要があると思われる。いっぺん調節しても、温度センサーの置いてある一部分の温度は一定に保たれるが、共振器長すべてが、同じ温度で安定化されているとは限らないので、ええ温度設定を探すためには、温度設定のつまみをちょっとずつ変えて、パワーメーターの出力をチェックするという根気のいる作業が必要になる。いくらぼろいといっても、失明させるだけの出力があるので、保護用の眼鏡をかけて作業すること。

 

ブラッグセルドライバー・・・ブラッグセルドライバーからは、ブラッグセルドライバー駆動用の信号と、コンパレーターに入力するための参照信号が出力される。駆動用の信号強度は、メーターに表示されるのだが、80パーセントぐらいが目安であると考えたらよい。しかしながら、干渉計の調節の時に、一時的に、一次回折光(参照光)が欲しい場合があるが、その時は、メーターが振り切れるぐらいまで出力を上げると良い。あまり上げると、ドライバーが発狂してしまい訳のわからない信号が得られるので、デジタルオシロでチェックすると良い。参照信号の強度は、端子のすぐ上に付いている小さなネジを回すと変えることができる。

閉じこめ部の干渉計は、レーザーの出力が大きいので、ブラッグセル内部の配線を破壊する可能性がある。これを防ぐために、CO2レーザーから出てきた光線にHe-Neをガイドとして調整し、このHe-Neが、ブラッグセルを横から覗いて結晶面に当たっていることを実験前に確認する必要がある。もし、結晶下部に付いている細い線にCO2レーザーが当たると、線が切れてブラッグセルがオシャカになる可能性がある。なので、いくらうまいこと行かんからと言って、光源からブラッグセルまでのミラーを絶対動かしてはならない。

 

コンパレーター・・・コンパレーターの入力信号は1.26Vが基本である。これはデジタルオシロにより確認できる。この基準のところから実際の円がきれいに出て、デジタイザの入力レンジに合ったような出力が得られる用にAGCのゲインを精密ドライバーを用いて調節する。2つの入力があまり違っていると、きれいな円にはならず、ゆがんだ四角っぽいものになる。

 

AGC・・・入力信号に対して、自動的にゲインを調節して一定の出力が得られるアンプです。出力端子の上についてあるネジを精密ドライバーで回すことにより、出力信号の大きさを変えることができる。これを用いることにより、アライメントのずれなどによる信号強度の変化にかかわらず、コンパレーターに一定の強度の信号を入力できる。超高温にはたくさんのAGCがあるんですが、調子の悪いのが多数あるので要注意。入力信号にブラッグセルドライバーの参照信号を入力させて出力をデジタルオシロで確認するとわかるのではあるが、ゲインを大きすぎるとサチってしまったり、入力信号が小さすぎるとゲインが足らず想定した信号強度が得られないこともある。

 

ディテクター・・・生成部の干渉計は、同軸コネクターにとりつけた小さなディテクターを用い、閉じこめ部の干渉計は液体窒素で冷却するHgCdTeディテクターを使用する。液体窒素は2〜3時間程度で蒸発するので、その度に、補充する必要がある。

 

光リンク・・・閉じこめ部の干渉計では、ノイズ対策として、ディテクターとブラッグセルドライバーより得られたそれぞれの60MHzの信号をシールドルームまで光リンクを用いて送って、AGCを通したにコンパレーターにかけ得られた位相情報をデジタイザーで取り込んでいる。我々の欲しい情報は、60MHz信号の位相変化であるので、60MHzに多少のノイズが乗っても、位相情報までは乱されないからである。この利点があるからこそ、ホモダイン干渉計(1つの周波数のみを光源とする干渉計)とちがい、ヘテロダイン干渉計をうちで使ってるのである。光リンクはプラスマイナス12Vで駆動させているのだが、これに対する入力信号を調節する必要がある。光リンクからでている参照信号をデジタルオシロでみて、差散らない程度の信号を入力してやるとよい。ノイズ量は決まっているので、信号強度が大きいほどS/N比が良くなるからである。

 

液晶シート・・・計測に用いているレーザーは赤外光であり、目には見えない。そこで、このレーザーを確認するために、温度で色が変わる液晶シートを用いる。この色が変わったところにガイドのHe-Neを持ってくるようにする。

 

 

 

 

 

 

 

 

2光束を一致させる秘技

 

可視のHe-Neをコンバインするのにも、干渉させるのに当たっても2光束を一致させる必要性が出てくる。このときのミラーを調整するこつの説明をする。

 

 

上図のように一点だけで一致していても2光束は一致しているとはいえない。

 

 

 

 

このように2点で一致してなければならない。可視のHe-Neをコンバインする時を例に説明する。計測を行う赤外光はの光軸は一定にしておき、その光軸に可視のHe-Neをコンバインし、光軸を一致させる。

 

 

A点で光軸が一致するように、ミラーでHe-Neの光軸を調整する。B点で光軸が一致するようにビームコンバイナーで調節する。この動作を繰り返して行うことにより、2つの光軸は一致するように収束する。理由は自分で考えてください、イメージ的に理解できるはずです。この収束を早く確実にするためには、この基準となる4点をそれぞれできるだけ遠くにすることがポイントとなる。液晶シート等を用いて点に置いて2つの光軸を一致させたとしても、それは距離としての誤差が生じるはずである。2光束を一致させるためには、2光束がおりなす角度をできるだけ小さくしなければならず、これを達成するためには調整するミラーと確認している点の距離が離れていれば離れているだけ良い。しかしながら、最初からあまりにも離れた点で調節をしようとすると、片方の光束がミラーから離れてしまう場合があるので、最初は近くで調整をし、A点、B点をどんどん遠くに持っていくと良い。

干渉させる場合もこの場合と同様にして4点を基準にして調節する。このときに、先ほど調節したHe-Neを用いて合わすと良い。ディテクターの近くの部分では赤外光が減衰している場合があり、液晶シートでは検出が難しくなるからである。

光源から出たレーザーは、完全な直進光にはなっておらず、広がり角を持っている。この広がりを防ぐためやディテクター上にレーザーを絞るために、凹面鏡を用いている。凹面鏡だけは確実にミラーの中心に光軸が来るように調節しないと、波面収差が生まれとんでもないプロファイルを持った光線ができることがある。

干渉計をうまく合わせるテクニックとして、常に盤面からの光軸の高さを一定に保つと良い。ミラーの高さは盤面からの高さがほぼ一定になっているので、常にミラーの中心に当たるようにすると良い。

CO2レーザーの参照光はミラーの数が足りないので、可視のHe-Neときっちり合わすことができないので注意が必要。

 

 

オシロに出る円ってなに?

 

みんなが干渉計の調節しているときに得られる、オシロスコープ上の円ってなんなんでしょうか?プラズマ中をレーザーが通るとき、プラズマの密度変化に伴う屈折率変化により、光路長が変化し初期位相が変化します。我々はこの初期位相の変化を計測することにより、プラズマの密度を求めている。プラズマ中を通った測定光が、参照光と干渉してディテクターで得られるビート信号は、測定光の初期位相の変化に伴い、初期位相が変化します。この初期位相が刻々と変化する60MHzのビート信号とブラッグセルを駆動している60MHzの位相差を検出することにより、測定光の初期位相の変化を知ることができます。この2つの60MHzの位相差を検出するために、コンパレータという装置に2つの信号を入力すると、位相差をφとしたとき、sinφ、cosφに相当する信号がでてきます。(コンパレータと皆は呼んでいますが、実際は、コンパレータ回路を含んだフェイズディテクターです)この信号をオシロスコープ上にxy入力して表示させると、円周上にある点が表示されるはずです。これだけでは円になるはずがありませんが、光路差が2πだけ変化すると、点は円を一周することになるのだが、この2πというのが距離に換算して、10.6μmにそうとうするので、大気の揺らぎによる空気の密度変化、振動による干渉計のアーム間のミラー間隔の変化などにより、我々がオシロスコープを見ている時間帯では、常に、位相変化が生じているように見えるからです。プラズマを測定する時間は数百μsecなので、この時間帯では、機械振動などがないとみなすことができるので、位相変化はプラズマの密度変化によるものだけであると考えることができます。もし、FRCの閉じこめ時間が数secオーダーになってきたら、これらのノイズ源をカットするために、干渉計をエアサスでもちあげたり、光路をパイプで覆ったりする必要性が生じてきます。

円がきれいに見えないと言うことは、ディテクターで得られるビート信号のが小さかったりしてS/Nが悪かったりして、コンパレーターに適正な入力がなされてないために、コンパレータが正常に作動しなく、きれいな円が出ないと言うことです。

 

 

 

 

干渉させる時のポイント

 

オシロスコープ上で、最初は点であるが、ちょっとでも干渉するとピクピクと動くようになる。こうなればしめたもので、2光束を一致させなければいけないという考えはとりあえず横においといて、適当に光軸を調節する。ディテクターの位置を変えたり、オシロで一番ピクピクするように光軸を調節する。どこが一番ピクピクしてるのかわからないときは、中心ぐらいで調整をを止めておく。生成部干渉計では、レンズの位置を調節することから始める。閉じこめ部の干渉計では、ディテクターの向きを変えたり、直前のミラーの向きを変えたりする。参照光と測定光の光路を変えると言うことは、干渉のポイントをロストする可能性があるからである。これをした後に、参照光と測定光の光軸をそれぞれ調節する。ミラーを調節していく途中で、ディテクターの調整も途中に織りまぜながら調節する。すると、そのうちきれいな円が得られる。それでもダメなときは、レーザーの出力が弱まってないか、コネクターは死んでないかを確認する。

たまに、プラズマを透過した光ではなくジンクセレンウインドウで反射した光と干渉している場合がある。これでは、チャンバーの振動を測っていることになるのでお門違いだ。その危険性を回避するために、プラズマから一旦出て入るために光線を曲げるミラーの前にものをつっこんだとき、これにより、ピクピクが止まるかどうかしらべる。

 

 

どのミラーを動かしたらいいの?

 

実際の実験では1から干渉計を調節する必要はない。一晩立ったらずれているということもあるであろうが、完全にずれると言うことは少ない。

 

生成部干渉計・・・装置のウオームアップが済んでから、コンパレーターの出力をオシロスコープの最小レンジで見るで見る。ちょっとでもピクピクしていたならば、シールドボックス上にセットしてあるレンズを適当に動かしてみる。つぎに、ディテクター上部のハーフミラーを動かして、測定光の光軸を調整する。レンズを調節する。ハーフミラー上部のミラーを動かして参照光の光軸を調整する。レンズを調整する。アームの下部のミラーで測定光を調節する。レンズを調節する。参照光をブラッグセルから出てきたすぐのミラーで調整する。このような作業を繰り返しているうちにきれいな円が得られるでしょう。それでもダメなときは、プリアンプの電池とディテクターにつながっているバイアス用の電池の電圧をチェックする。全然ピクピクしてない時は、適当にミラーをいじってチャレンジしてみる。うまいこと行く可能性はあまり高くないので、その時は、ガイドのHe-Neをきっちり合わせた後に、ハーフミラー上とレンズ置いてあるところで、光軸が一致するように調整する。

 

閉じこめ部干渉計・・・ディテクターの2個手前のミラーが凹面鏡になっているので、このミラーにだけは中心に通るようにする。測定光の光軸は動かしにくいので、参照光を測定光に合わすと言う感じで調整を行う。干渉するところのハーフミラーから手前の2個のミラーを動かすことにより、参照光の光軸を調整する。ディテクター自身は水平方向にしか動かすことができないので、垂直方向の調整は、直前のミラーでディテクターの検出面と同じ高さになるように調整する。凹面鏡とディテクターの2カ所で参照光と測定光が一致するように調整する。これが理想なのだが、参照光はガイドのHe-Neときっちり合わすことができないので、凹面鏡の部分でHe-Neが来るように調整する。ディテクター部分の調整は、凹面鏡で絞った後であるので、液晶シートで安易に参照光を測定光を確認することができる。

 

ブラッグセルを合わせる奥義

 

ブラッグ回折は結晶の回折現象を利用しているので、結晶に対して垂直に入射しないと、回折効率が悪く使いものにならない。回折効率はドライブの電圧によっても決まってくるが、あまり上げると良くない。ブラッグセルの最適入射角度を見つけるために、一次回折光が出るところにパワーメーターを置き、入射角をいろいろ変えて一次回折光強度が最大になるようにする。

 

生成部干渉計・・・ただでさえ光源の出力が小さいので、やみくもに探しても最適入射ポイントは見つからない。ミラー3を外し(じゃまなので)、可視光と赤外光の光軸をしっかり合わす。ミラー3を戻し、ブラッグセルの高さがおおよそ7.2Bであるので、光軸もその高さを通るように、ミラー3、ミラー4を用いて調節する。ミラー4を上下方向に動かし、ブラッグセルのほぼ中央に光軸を合わす。ブラッグセルに掛ける超音波のゲインを最小にし、可視光の1次回折光だけが現れるようにする。ブラッグセルを回転させ、±1次回折光の強度が最大になる位置を見る。その中央の位置で、光線がブラッグセルに垂直に入射している。この位置を原点とする。ブラッグセルの回折角度は入射光の波長に比例するので、赤外光は可視光の1次回折角の3.3μm/632.8nm倍の1次回折角を持つ。ブラッグセルを原点から可視光の1次回折角の3.3μm/632.8nm倍回転させる。ブラッグセルに掛ける超音波のゲインを100パーセント以上にし、0次回折光をパワーメーターでモニターしながらブラッグセルをわずかに調節して、0次回折光が減少する位置を探す。液晶シートで実際に赤外光が回折されていることを確認できたら入射出来上がり。ガイド光のコンバインは、測定光に関してはブラッグセルに入る前に合わせた可視のHe-Neが、直進光と一緒になって出てくるのでこれを利用し、回折光に関しては、ビームコンバイン時の損失を防ぐという意味から、回折光が出る角度に合わせて、ブラッグセルの入射側から、可視のHe-Neを入射してやる。炭酸ガス用のブラッグセルは、可視光を透過しない結晶を用いているので、ブラッグセルで2光束に分かれた後に再びそれぞれの光線にガイド用のHe-Neをコンバインしなければいけない。

 

閉じこめ部干渉計・・・ブラッグセルの1次回折光をパワーメーターでモニターしながら、入射角を変化させたところ、最大で入射したレーザーパワーの1/10程度になる。0次回折光を測定光、1次回折光を参照光としているので、実際の実験では、フォトディテクターの位置での、レーザーパワーが参照光よりも測定光の方が小さくなるならば、ブラッグセルの入射角を調節して、同程度になるようにすれば、SN比は向上すると考えられる。生成部と違いレーザーの出力に余裕があるので、パワーメーターをおいて(決まった位置がある)、やみくもに探す。しかしながらこれだけでは難しいので、光軸の盤からの高さを一定にすることにより、結晶に対して垂直に入射するようにする。あとはフィーリングにまかせて・・・

一か八か!

 

いくら調節してもうまいこと行かないときがある。ディテクターに十分な信号が来てないからである。理由としては、光源の強度が落ちている、ミラーが汚れている等が考えられるのだが、一か八かが好きなあなたにもっていこいの方法がある。測定用のレーザーの光路を確認するために、可視のHe-Neをコンバインしているのだが、これを取り除くという方法がある。ビームをコンバインするときに、もとのレーザーの強度が落ちてしまっている。それ故、ビームコンバイナーを取り除くことにより、計測用のレーザー強度を稼ぐことができる。しかしながら、もう二度と、ガイドのHe-Neを利用することができなくなるので、円が出ないようなずれがあった場合は、もっぺんいちから調整をしなければいけなくなる。あんまりこのような方法は用いて欲しくはないが、しかたないときは行ってください。

 

 

危険地帯

 

以前にも述べたが、閉じこめ部のレーザーは失明するだけのレーザー強度を持っています。保護用の眼鏡をかけて調整を行うようにしてください。また、調整中はいらんところにレーザーが飛んでいかないように配慮してください。調整している先に、紙を置いとく。ケーブル等に当たると壊れてしまいます。また、干渉計を使うとき必ず毎回確認してもらいたいことがあります。ブラッグセルの真ん中にちゃんと入射しているか、紙を用いて確認してもらいたい。ブラッグセルの結晶の下に付いている細い線にレーザーが当たってしまうと、二度とブラッグセルが使うことができなくなり、こまったちゃんになってしまうからです。紙を置いて焦げるところが、ブラッグセルのスリットのほぼ中央担っていればオッケーです。もし、しらん間に、光源からブラッグセルまでの間のミラーがずれてしまったりして、焦げる位置が下に寄っているようなことがあれば、即刻使用を中止してください。壊れたら取り返しがつきません。

 

 

 




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