真空関係

真空ブレーク関係でミスをすると TMP (ターボ分子ポンプ)が壊れるなどの事故の原因となるので注意すること。マニュアルをそのままなぞるのではなく、自分が今何をどのように操作しているのかを考えながら操作すること。

 

* ブレーク

ブレーク中に塵(表面積広い)や水蒸気(なかなかとれない)がチャンバー内にはいるのを防ぐために、ブレーク時間はできる限り短くすること。また、同様の理由から、ブレークの数時間前から新館のエアコンを入れておく(夏場梅雨時など常に湿度の高い季節は通常エアコンをつけっぱなしにしておく)。

 

1) ブレーク前の真空度を確認して記録する。

2) イオンゲージのフィラメントを切る。

3) 他の真空系がつながっているかチェックし、他の真空系がつながっている場合はそのバルブを必ず閉じる。

・Cryo Pump

・NBI 装置(斜照射・近軸照射・ミッドプレーン)

・小寺アナライザ(バルブが逆ネジなので注意。通常は閉のはず。)

4) 上流 排気コントローラー部でゲートバルブを閉じ、排気運転停止ボタンを押す。排気弁及びゲートバルブが閉まることを確認する。

5) 上流 RP (ロータリーポンプ)は TMP が停止したことを確認した後に止める(15分程度)。但し、短時間のブレークの場合は RP はつけたままでも良い。上流 RP については停止から一定時間の後に自動的にリークするようになっている。

6) 本体のリークバルブについても念のため TMP が停止したことを確認した後に開ける。リークさせる場合は最初は特に緩やかに大気を入れること。

 

* 真空を引く ( FIX 本体が大気圧から引く場合)

1) ポートなどが全て閉じていることを確認。以下作業時刻と真空度を記録する。

2) TMP が完全に停止していることを確認する(ランプ)。

3) RP で荒引きする。

・排気コントロールパネルの排気弁・ゲート弁を開ける。

・ぷしゅーっと音がしてピラニーゲージの針が触れることを確認する。TMP 内に大気導入。

・排気コントロールパネルの排気運転開始を押す。

・通常約10~15分でピラニーゲージの針が動き出す。

################## ここまでは新館で見張っていること ####################

注)いつまでもレンジオーバーしている場合は操作ミスあるいは、リークしている場合が考えられる。このような場合のリークは比較的大きな音がするので、開け閉めしたポートを中心にリーク箇所を探す。このとき、ゲートバルブを閉じてRP は止めておくのが望ましい。

4) 新FIX 装置では、排気コントローラー内臓のピラニゲージとターボポンプが連動しており赤いほうの針の設定真空度を超えたところでターボポンプが自動的に運転を開始する。通常、約50分程度でターボポンプの運転が始まる。ただし、内部に入れたプローブの種類開けていた時間・季節などによって必ずしもこの限りではない。

5) TMP は運転開始後は Acc (Accelerate)ランプが転倒し約15分程度加速運転を行うその後 Normal ランプが転倒し通常運転にはいる。通常運転にはいると間もなく ~10-5 torr 程度の真空度になる。

############## ここまでは真空を引いた人の責任で管理すること ###############

注)ポンプまたはコントローラーに異常がある場合は、内部の安全装置が働いて自動的に運転を停止する。この場合は排気ユニットの電源を切ってしばらく置いてから再び試して見る。それでもダメな場合は、修理が必要になるので、教官に報告する。

 

* 真空計について

イオンゲージは、放電中と真空ブレーク中以外の時は常に フィラメントを最低レンジ ( 10-3 レンジ) で点灯しておく。フィラメントがついていないときは、真空度が悪くなっている恐れがあるので必ずピラニゲージでチェックした後にイオンゲージをつける。

 

* TMP のコントローラ

TMP のコントローラは図のようになっている。


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