RMFによるFRCプラズマの電流駆動実験
--- パワーエレクトロニクスに関するメモ帳 ---
たぶん10Mega Wattぐらいでてるかも〜〜

ＦＲＣプラズマの電流駆動を行うために必要となる高周波電源を開発中です。以下に示すように、ＦＲＣプラズマのトロイダル電流を駆動するために、回転磁界を印加することを計画している。真空容器内に設置した４極のアンテナにそれぞれ９０度づつ位相の異なる電流を流すことにより、回転対称軸に垂直な平面内で回転する磁界をＦＲＣプラズマに印加することが可能となる。この回転周波数を、イオンのラーマー運動よりも十分に早くとることにより、、回転磁界に対してイオンはスリップし、電子によるトロイダル電流が発生することになる。このような電流駆動を行うこためには、プラズマパラメーターから計算すると、ざっと、50から100kHz、5kA,10kVの電源が必要となってくる。



そこで、IGBTを用いたインバーターで作った方形波をトランスで昇圧し、共振周波数でLCタンク回路に入力することで、高電圧大電流をインダクタであるRMFアンテナに供給しようと考えている。

IGBTに三菱電機製のCM600HU-24F(1200V,600A)を用いてインバーター回路を作っているが、フルブリッジ型のそれぞれのアームに２直２並のIGBTを配置して１６個のIGBTを用いることにより、高電圧大電流に対応したインバーター回路としている。

実際の所はこのインバーター回路の製作が困難であった。ターンオン、ターンオフ時間を考えれば、大型のIGBT素子からすると少し定格を超えたところで動作になる。サージ電圧の低減のために、いろいろ工夫を行った。

• 回路全体を小さく作る・・・サージ電圧は電源周りの余計なインダクタンス成分によってもたらされるので、これを小さくすることによりサージ電圧の低減に役立つ。
• ゲート抵抗を多少大きめ・・・非飽和領域で運転を行いdi/dtを小さくなるようにした。どうせ誘導性負荷を駆動するので、電流波形の立ち上がりは遅くてもかまへん。
• スナバー回路の組み合わせ・・・各素子に非充電型、各アームに充電型のスナバー回路を取り付けた。非充電型スナバーは運転時において各素子に均等に電圧が印加されるように分圧させてやるという役目も果たしている。電源周りのインダクタによって発生する高速サージを吸収するのは主に充電型スナバーの役割である。
• 素子の選定・・・各部品は高周波でもちゃんと動作するようにセレクトしている。抵抗はソリッド抵抗、コンデンサはフォルム系の無誘導巻き型、ダイオードは超高速のソフトリカバリー　特に充電型スナバーのところには気を遣って高品質のパーツを用いている。

このような工夫によりサージ電圧の低減が可能となった。誘導性負荷を駆動しているので、ターンオフしている間には二倍の電圧が印加される事になるのですが、それに比してたかだか１０％程度の高速サージしかIGBTには余分に印加されない。

追加情報　20003.12.8

• プラズマ実験を行っているが、内部磁場の計測によりＦＲＣプラズマが出来ていることは確認できている。周波数を100kHzとかさらに上げるためには、デッドタイムを十分に取る必要があり、フルブリッジ型の特徴であるデューティー比を上げるというメリットを生かすことができなくなってしまう。したがって、最大デューティーは50%に制限されるがデッドタイムのことをあまり気にしなくても良いフォワード型に回路を変更した。２直２並のインバーター回路を２組み作ってトランスの１次側で結合するような配線を行っている。
• 新しいIGBTを入手することができました。NFHシリーズというやつで、公称定格で30kHzから60kHzにて動作が可能なヤツである。ちなみに、今まで使っていたFシリーズは公称で20kHzのやつだったのですが、フォワード型のインバーター回路で170kHzとかで運転することに成功している。

VRMLによる実験装置の3D表示

こっちに移動しました

2002/12/10に撮った写真集です。なんとなくどんなのかわかるはず。

2002/11/29にプラズマ核融合学会年会で発表してきました。ポスターをPDFにて見れるようにしましたので、これをみれば何をやっているのかハッキリするかと思います。
2002/12/9に高温学会年会でも似たような内容で発表しました

掲示板も作ってみたりして

勝手にリンク

• 電気学会D 産業応用部門・・・12/9に電気学会の入会申請を行いました
• パワーエレクトロニクス研究会・・・連絡先の日本学会事務センターってわしが通っているジオスの横にあるところじゃん

探せ文献！！

• 小笠原 悟司，冨田 雅史，赤木 泰文：「30kHz 5kW IGBTインバータを用いたコロナ放電処理装置」，電気学会論文誌D, 112巻, 9号, pp. 883-890 平成 4年 9月

kitano@ppl.eng.osaka-u.ac.jp